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恋愛依存の解説と克服方法

恋愛依存の解説と克服方法

ここでは、恋愛依存に関しての解説と克服方法を掲載しています。
男女共に恋愛に悩まれる方は多くいらっしゃいます。
その中でも恋愛依存と言えるほど大きな悩みになっている場合は、その改善と精神的克服が必要になってきます。
恋愛依存で悩まれている方に克服のヒントとなればと思います。

恋愛依存とは

恋愛依存の解説と克服方法
一般的には、「恋愛にのめり込み、精神的、社会的障害になっている」というケースが恋愛依存と言えるでしょう。
『相手のことを考えて極端な感情の起伏がある』『相手の事を考えて不安で仕事が手に付かない』等の状態であれば、恋愛が自身の障害になっていると言う事です。
これは、恋愛をする上で負の部分とも言えますが、極度に精神的負担になっている場合や、社会的・生活的に障害となっている場合は見過ごせない事です。
また、恋愛依存には色々な傾向もあります。
恋愛自体に依存する行為依存的なものであったり、単純に相手に依存する対人依存的な傾向を持っている場合があります。
また、性依存に関しても恋愛依存と関係するケースがあります。
様々なケースが考えられ、対処にも個人差が出ると考えられます。
まずは自分の恋愛傾向を知り、その問題点と原因、対処方法を見つけることが大切です。

恋愛依存は病気?

恋愛依存とは、医学的な言葉ではありません。
また、依存とありますが、診断名に使われる事はありません。
精神病的に考えて、アメリカ精神医学会で出版されるDSMの分類にも恋愛依存と定義するものは無く、何らかの精神的病の表出例と考えられます。
DSMの分類には物質関連障害と言うものがありますが、物質に対する依存性や嗜癖性を指しています。
恋愛は物質を伴ないませんのでこれには当たらず、非物質関連障害に近いと考えられなくも無いですが、その定義も明記はされていません。(ギャンブル障害は非物質関連障害に分類されています)
精神医学的には何らかのパーソナリティー障害が根本にあり、その結果として恋愛にのめり込むという捉え方が正しいのかもしれません。
恋愛依存の原因となるパーソナリティー障害としては、以下のような分類があります。
  • 回避性パーソナリティー障害
  • 批判や拒絶、自分が恥をかくことなどに敏感で、対人関係を避ける。自己評価が低く対人関係や社会的活動に抑制をかける。
  • 境界性パーソナリティー障害
  • 感情が不安定で、浮き沈みや怒りが大きい。他者に対して好き嫌いの極端な態度を取る。自己像や自己意識が不安定で慢性的に空虚感を持っている。自分を傷つけるような言動があったり、自傷行為による脅しなどがある。
  • 演技性パーソナリティー障害
  • 自分に注目が集まっていないと楽しくなく、対人関係に対して身体的特徴を誘惑的に使う。感情が希薄で移り気。印象的ではあるが話の内容が薄い。他人や環境の影響を受けやすく言動は演劇的。実際より対人関係が密接になっていると思っている。
  • 依存性パーソナリティー障害
  • 自分で決めることが出来ず人に助言や保証を得ることを必要とし、責任を他人に取ってもらう。信頼や世話をしてくれることを失わないように異常な頑張りを見せる。一人になった場合、自分の世話を自分ですることを恐れ依存対象を探す。
等が上げられます。(DSM-Ⅴ参考)
どれも結果として恋愛依存になる可能性があるもので、DSMのパーソナリティ障害分類に該当します。
これらには度合いがあり、各項目に規定数当てはまれば診断となりますが、多少当てはまるという程度では診断されません。
恋愛依存は正常な生活を送ることが出来ているというケースもあります。
ですが、上記の項目で一つでも強く当てはまる場合は、恋愛依存の原因になる可能性があります。
恋愛依存で悩まれている方は、恋愛依存を何とかしようとするのではなく、自分の精神的問題点に着目する必要があります。
恋愛をする事は、もちろん病的なことではありませんし、恋愛で問題を抱えるという事はいたって普通のことです。
ですが、恋愛が原因で何らかの精神的障害を抱えるようであれば大きな問題となります。
恋愛依存は病気ではありませんが、病気の原因になる可能性があると言う事でもあります。

恋愛依存の原因

恋愛依存の解説と克服方法
恋愛依存になる原因は様々なことが考えられます。
先ほどのように精神的病理が原因の事もありますが、後天的に身に付いた性格が原因の場合もあります。
そして、後天的性格は子供の頃の発育環境が大きく関わっています。
ここでは、恋愛依存になりやすい発育環境を見ていきましょう。

愛情が希薄か全く無かった

子供は本来、自然と愛情を求めるものです。
それが足りなかった場合、愛情が不足した状態で大人になります。
愛情不足の状態が、その穴を埋めるかのように恋愛で愛情を求めやすくなることがあります。
また、一人では愛情が足りず複数の人と付き合ったり、相手からの愛情を形あるもので求めたりする場合もあります。
一人になることを恐れ、表面だけでも愛情を注いでくれる人に執着する事もあります。

認められることがなかった

人は承認欲求と言うものがあると言われています。
「誰かに認めて欲しい」「自分を理解してもらいたい」という欲求です。
それが子供の頃に認められることが少ない場合、大人になってから恋人にそれを求めるようになってきます。
また、上辺だけでも認めてくれる人にすがったり、認められるために身を削って一生懸命になります。
献身的といえば聞こえは良いですが、過度の場合は様々な問題となります。
また、共依存と言って「依存されることに依存する」というものも恋愛依存では見られます。
これは、承認欲求が適切に昇華されず、恋愛で相手から依存されることによって承認欲求を満たすというケースです。
この場合は、相手をコントロールしてでも自分に依存させ、自分の存在を大事なものだと認めさせようとします。

虐待があった

身体的・精神的虐待があった場合、その反動で恋人に執着する事があります。
安心できる場所や自分を大事にしてくれる人間に心を奪われてしまいやすくなるからです。
基本的には、虐待があった場合の子供は、警戒心が強く、人を信用できないケースが多くなります。
その反動で、信頼できる人間が現れた場合は執着心が強くなります。
それを失わないように過剰な努力をしたり、自分を犠牲にする事もあります。
また、自分の価値が希薄に感じていることが多く、自分を粗末に扱う部分があり、それを恋愛で利用されてしまうと言うケースもあります。
尚、性的虐待があった場合は、過去の自分を払拭するために性行為に執着する場合もあります。
これは過去の自分を否定的に捉えていて、その否定感を薄めるために同じ行為を繰り返すと言う精神的回避を行うからだと言われています。
このようなケースも恋愛依存のきっかけになる事もあります。

過保護な環境

過保護な環境で育った場合、自分を守ってくれる人の存在感が大きくなります。
そして、大人になった時に守ってくれる存在を恋人に求める場合があります。
過保護の環境が残っている場合は、恋人への執着にならない事もありますが、過保護の環境を失っている場合は、恋人に執着してしまいます。
両親の他界や年齢などによって守ってくれる人がいなくなった場合は、自分を守ってくれる人を探すことに躍起になります。
それが恋愛に向いた場合は恋愛依存になる原因となります。
過保護に育つと、自信が無く自己判断力にかけるため、何とか自分を守ってもらおうと引き止めたり、複数の人に守ってもらおうとします。

このように子供の頃の発育環境が、価値観や性格に影響を与えて恋愛依存の原因となることがあります。
また、先述したパーソナリティー障害の原因も発育環境である事もあります。
恋愛依存の原因は価値観や性格であり、その原因は発育環境である事がほとんどです。

恋愛依存の特徴

恋愛依存の傾向には様々なパターンがあります。

行為に対する依存

恋愛という行為や状況に依存しているパターンです。
常に恋愛をしていないと虚無感や不安感に襲われます。
相手はある程度広範囲に選択する傾向があり、どちらかと言うと自分の思い通りになりやすい人を選びます。
恋愛を楽しんでいるうちはいいのですが、恋愛初期から発展しにくい傾向にあります。
一つの恋愛が終わる前に次の恋愛に向かってしまうという問題もあります。

自尊心の欠如

自尊心が欠如していたり、自尊心が低い場合は恋愛依存になりやすい傾向にあります。
これは、自己意識が不安定だったり自分に自信を持てないという点で、それを埋める為の恋愛をしようとするためです。
自尊心を満たしてくれるような相手を選び、自分の存在価値を相手に委ねます。
相手が冷めてしまったり、不一致が起こると深く落ち込んでしまうような事になりやすい傾向です。
自尊心は自分の中で確立していくものですので他人に委ねていては良い恋愛になる可能性は低くなるでしょう。

共依存

共依存とは依存されることに依存すると言うものです。
世話好きで自分を犠牲にしても相手に尽すような方は共依存かもしれません。
共依存の根本的心理背景には「自分の存在価値は相手が必要としている事」と考えています。
自分を必要としてくれる人に引かれたり、世話が必要な人を選ぶ傾向にあります。
恋人間でDVがあるような場合は共依存であることが多いようです。
暴力があってもその後に謝罪や必要とされることがあると、見放す事ができない方は共依存と言えます。
恋愛依存としても共依存が根本にあり、別れるべきなのに別れられず、ズルズルと恋愛関係を続けるとうい事があります。

回避傾向が強い

回避とは精神的自己防衛をする時に、見なかったことにしたり、考えなかったりすることです。
回避傾向の方は、嫌な事から目を背け恋愛に興じるという事があります。
回避が大きければ大きいほど恋愛にのめり込み、依存的になって行きます。
また、恋愛で問題が起こったときも回避するため次から次へと恋愛相手を変える事もあります。
自分の居心地が良い関係や場所を見つけてはそこに流れていきます。
自分と向き合わない傾向は、人間関係を良くする事もありません。
恋愛でもそれは例外ではありません。

恋愛依存の克服方法

恋愛依存を克服するには何をすれば良いでしょうか。
先ほどの恋愛依存の特徴を通して全体でいえるのは「自尊心を向上させる」ことが大切ではないでしょうか。
全ての根源には「自信の無さ」「不安感」「孤独感」があります。
それぞれはある程度の度合いで誰でも持っているものです。問題はそれが大きくなりすぎるケースです。
恋愛依存になるケースは、それらが大きくなっているので、関係性や相手に執着をしてしまいます。
ですが、自尊心が高いとこれらの感情はそれほど大きくなりません。
そもそも自尊心とは「自分を尊重し大切に出来る心」の事です。
自尊心が低いと自分を否定的に捉えたり、自己否定をしてしまいます。
それが心の負荷となって不安や孤独感を持ってしまいます。
マイナスの感情を何とかするために恋愛にのめり込み、恋愛依存の状態になって行きます。
大元は自分を否定的に捉えたり、自己否定をしている部分です。
では、これらを軽減するためにはどのようにすれば良いでしょうか。
それは自己成長を心がける事と誠実さを忘れないことが自尊心を高める近道です。
自己成長とは、自分が望む自分に少しでも近づこうとする努力をするということです。
自信が無かったり、不安が強いと自分が決めたことでも挫折してしまう事もあるでしょう。
ですが、そこで諦めてしまっては何も変わりません。
少しずつでも前に進むことを止めないようにしていれば、自分を肯定する気持ちが芽生えてくるものです。
また、誠実さを忘れないと言うのは他人に対してもそうですが、「自分に対しても誠実でいる」という事が大切です。
自分に嘘をついていると自分を信用出来なくなっていきます。
自己意識が曖昧になって、自分というものが分からなくなってしまうケースもあります。
自分の気持ちに正直な行動を取り、自分の素直な気持ちを受け入れることが大切です。
但し、これは「自分勝手でもいい」と言う事ではありません。
他人にも同じように誠実でいる事も大切です。
尚、恋愛依存でどうしようもなくなる時もあると思います。
その様な時は専門のカウンセラーに相談する事も必要な場合があります。
参考:東京で評判のカウンセリング
また、不眠や食欲不振などの身体症状が出ていて辛い場合は、心療内科を受診したほうが良い事もあります。
身体症状がある場合は精神的にもうつむきぎみになってしまうものです。
医師と相談して体調の改善から行う必要がある場合はそちらを優先しましょう。
恋愛依存になる原因は自分の中にあることが殆どです。
自分が変わることによって恋愛依存は克服できます。
少しでも多くの方が幸せな恋愛を出来ればと思っています。

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